「夏バテ」「夏痩せ」という言葉はありますが、「食欲の秋」「正月太り」と寒い時期に痩せる話は聞いたことがありません。

これにはきちんと理由があります。秋には多くの食物が実りの時期を迎え、味が良くなって食欲が増し、食べる量が増えてしまいがちですが、それ以外にも私達の体は、秋から冬にかけて太りやすくなっているのです。

人間は進化して、多くの人は一年中食べ物に困らない豊かな食生活を手に入れましたが、体の構造事態は森の中で木の実や葉っぱを食べていたお猿さんの頃とあまり変わっていません。野生の動物は自分で作物を作ることはできません。

したがって、冬になると植物が枯れて食べ物が不足してしまいます。そのため、秋にたくさん食べて栄養分を取り込み、脂肪として蓄えて冬を生き延びようとするのです。人間の体も同様に、気温が下がってくると脂肪を溜め込みやすくなります。この時期に食欲が増すのですから、体重が増えるのは当然です。

また、脂肪は栄養が不足したときに燃焼させてエネルギーとして使用する「非常食」の役割の他に、寒さから体を守る「断熱材」の働きも持っています。体温を保つためには脂肪が必要ですから、秋を迎えて気温が下がってくると体は、これから来る冬に備えてせっせと脂肪を蓄えようとします。

現代人は暖房が普及しているのからそんな機能は必要ないのに、と思っても、こればかりは自然のメカニズムなのでどうしようもありません。

野生動物は冬の最中にエサにありつくと、これ幸いとさっそく脂肪に変えて体内に蓄積します。次にいつ食べ物が手に入るか分からないからです。いつでも美味しいものが食べられる人間が、夏よりも冬のほうが太りやすくなるのはこれらのことに原因があるのです。

反対に、気温が高いと脂肪の蓄積率は低下する傾向にあります。汗をかくだけでもカロリーを消費しますし、代謝が上がって自然と脂肪が燃焼しやすくなるためです。

冬はできるだけエネルギーを使わないようにしようと脂肪の燃焼が抑えられますが、夏は栄養不足の心配が少ないので、冬よりもエネルギーの消費効率が高くなるのです。夏場は汗をかきますが、汗をかく量が増えるということは、脂肪がエネルギーに変わっている証拠です。

冬はクリスマスやお正月など、イベントが多くそれだけ外食の機会も増える時期です。気分が盛り上がり、カロリーの高い食事をたくさん食べてしまうことも多いでしょう。

反対に夏は暑さのために食欲が落ちるので、さっぱりとしたもの、つまり低カロリーの食事を好む傾向があります。「夏はスタミナをつけないと」と焼肉やうなぎなどが推奨されるのはこのためです。

冬は寒さから体を守るために脂肪を燃焼して体温として使っているため、基礎代謝が高い状態になっています。

同時に脂肪も蓄積されやすくなっているので、「寒いからダイエットはやめておこう」と思って冬にたくさん食べるとどうしても太りやすいのです。ダイエットには季節を意識することも重要です。秋から冬に脂肪を溜め込み、薄着の季節に慌ててダイエット、ということがないように冬場の食べすぎには十分注意しましょう!